ミラネーゼが行列するピッツァ |
SPONTINI スポンティーニ。
現在ミラノに4軒ほどを展開し、待つのが大嫌いなミラネーゼが行列してでも食べたい大繁盛店です。
メニューは1種のみ。
マルゲリータの中5ユーロか、大5,5ユーロ。
ミラノでは薄めの生地が一般的ですが、ここのは暑さ2センチ以上!
でも皆さん、ピザパンのようなものかと想像したら、大違い。
想像をはるかに、はーるーかーに超える、軽い食感にびっくりさせられます。
大きな天板に広げた生地にソースをのせ、薪のオーブンで下から加熱するように焼き上げ。
最後にモッツァレッラをのせてさらに30秒。
これをオーダーごとに大きなナイフで切り分け、イートイン用とお持ち帰り用に振り分けて行きます。
底はカリッカリと香ばしく、生地はさっくり溶けるよう。トマトはフレッシュで濃厚、まさに太陽の味。たっぷりの熱々のチーズのジューシーさ・・・。
どこのテーブルも皆さん無我夢中です。
ちなみにお持ち帰り用はというと、なんと段ボール紙にピッツァをのせて紙でくるっと巻き、ホッチキスでバンバン!ととめて終わり!
すべてが他と違う。 こんな店はみたことがありません。
・・・これは、これは、ぜひ日本でも展開させたい!!!
そう思ったら止まれない私、さっそく日本のフード関係の会社とスポンティーニ双方に連絡を取り、企画スタートです!
アポを取り、スポンティーニのオーナー、マッシモ・イノチェンティさんと面会してきました。
ゴルフ焼けの肌に仕立ての良いスーツ、ピンと張った姿勢と通る声。一見してかなりやり手のビジネスマンという印象です。
聞けば、1953年にお父様が開業して守り続けてきた本店を、二代目の彼がチェーンとして展開・拡大しようと動き始めたのはつい数年前のこと。
シンプルな材料と独特の調理法のこの個性的なピッツァの味は変えることなく、赤を基調としたお洒落な店舗づくりでブランディングに成功。
またたく間に話題となったそうです。
ちょうどランチ時だったので、試食を兼ねたランチを一緒にいただきました。
運ばれてきたのはモッツァレッラ無しとノーマルなマルゲリータの2種。
「ピッツァは生地とトマトが命。本当のおいしさはチーズなしのほうがよく分かる」と強く言い切るイノチェンティさん。
ちなみにビールはハイネケン、ソフトドリンクはペプシのみ。デザートも置かないいさぎよさ。
ダブルネームのジョッキも珍しい。
食後には、こちらから催促したわけではないのに、キッチンで材料と機材のすべてを見せてくれました。
片手で数えられるほどの材料。掃除の行き届いたキッチン。おしゃべりするスタッフも、ここにはいません。
「材料も作り方もシンプル。だれでも真似ができるくらいだ。でも、スタッフの連係プレーなしにはぜったいにうちと同じピッツァの味は再現できないよ」。
日本人の勤勉さ・勉強熱心な性質は、そういう意味で自分たちのパートナーとして最高だと感じた彼。
「自己流ばかりのラテンの国では、チェーン化はまず無理だろうね(笑)」。
最後に固い握手をして分かれました。
彼と彼のお父様、そしてブラーヴォなスタッフ達が作り上げたスポンティーニの味、来年をめどに日本上陸を目指しますよ!!!
オーナーの彼、実は接客好きなようで、週末の夜はうちの近所のマルゲーラ店でピッツァを焼くそうです。
興味のある方はぜひ一度どうぞ!