クリスマスのランチ |
旦那様の大学時代の友人総勢30名ほどが年に一回集まる、恒例のイベントです。
毎年持ち回りで場所を提供することになっていて、今年はレッジョ・エミリアに住むステファノの家で行うことになりました。
ミラノからは車で2時間半、風光明媚な郊外の丘に建つ、100年以上の歴史のあるカッシーナに彼は住んでいます。
カッシーナとは、農業目的のために作られた建物。
たいてい自然がいっぱいな場所にあり、建物も歴史があって天井が高いので、イタリアではこれをおしゃれにリフォームするのがちょっとしたブームなのです。
12時に着いたときにはすでに何人かの友人達がステファノの料理を手伝っていました。
ここ何年かは立食スタイルの気軽な雰囲気でしたが、今日ステファノはきちんと着席しての伝統的なプランツォを用意しているようです。
さすがゲイの彼、ずっとキッチンでこまかい作業をそつなくこなしています(笑)。
みなワイン片手に料理をしつつ、たまに持ち寄ったスナックや小さなパニーノなどをつまんでおしゃべり・・・というイタリアンスタイル。
仲良しのおしゃべりジョヴァンニなどはマッシュポテトにバターと牛乳を入れてぐるぐるし始めてからもう1時間も経っています! 冷めたらダマになるって~!
はあ、もう2時近いです(笑)
私はマイペースに料理の観察です。
プリモはパッサテッリ。
エミリア・ロマーニャ州のとくにこのあたりでよく食べられる伝統の食べ物です。
パン粉に卵とたっぷりのパルミジャーノ・レッジャーノを加えて練ったパスタを、マッシュポテト兼用の穴の空いた器具に入れて押し出してつくります。
濃厚なブロード(肉のスープ)で茹でて、スープのようにしていただきます。
セコンドはレッソ(茹でた肉のミスト)とコテキーノ。
レッソ=出しガラなんて考えはNGです。
香味野菜といっしょにガッリーナ(雌鳥)やオッソブーコ(子牛肉の骨付きすね肉)など数種類の肉をゆっくりと煮込んだもので、イタリアでは出汁はブロードとしてプリモに利用し、肉はセコンドとしていただきます。
ほんとうにしっとりとした柔らかなお肉で、ブロードにエキスが出た後も味がしっかりしているのです。
コテキーノとは、豚の頭肉や頬肉を筒状に固めたもので、サラミとソーセージの間のような味と形です。
なんと16世紀以前からイタリアでは食されていた、という記録が残っているもので、こちらではクリスマスには欠かせない伝統の食べ物なのです。
調理方法は、脂が多いので全体にフォークを刺してからお湯でゆっくりと30分間ゆで、余分な脂を抜いてからスライスしていただきます。
コラーゲンと豚の旨味がたっぷりですよ♪
レッソに添えるのはサルサ・ヴェルデ。(グリーンソース)
新鮮な香りのよいイタリアンパセリにゆで卵、アンチョビ、ケイパー、オリーブオイルを混ぜるというのがスタンダードな作り方ですが、ステファノはアンチョビの代わりにツナを入れるのだそうです。
面白いですね。食事のときが楽しみです。
さあ、何となく出来上がってきました。
もうペコペコです!
まずパッサテッリ。
パルミジャーノのコクと塩気がブロードにしみ出して、とても濃厚。
長いテーブルに皆ギュウギュウで一緒に座り、湯気を立てながらいただく熱々のパッサテッリは本当に格別です!
セコンド。
レッソはガッリーナと子牛肉を少しずつとコテキーノ、サルサヴェルデでいただきます。
サルサはツナのおかげでしょうか、とてもマイルドで美味しい!皆からも絶賛です。
これは真似しようと思います。
ポテトは・・・やっぱりダマでした!(笑)
お腹がいっぱいになったところで、皆外に出て余興のビデオ収録です!
メンバーのアンドレアは映画監督の仕事をしているので、彼の指示にしたかってちょっと面白いビデオを撮りましたよ♪
もう暗くなってきたので、ドルチェを頂きながらお待ちかねのプレゼント交換ですよ。
私たち夫婦はワイン輸出の仕事とカタログギフト会社をやっているので、皆にワイン1本ずつとカタログをプレゼントしました。
手作りのお菓子を可愛くラッピングして配る人もいれば、手作りのボディクリーム(自分のボディシルエットをデザインしたボトル入り。爆! ) を制作した人まで、毎年どんなアイデアがでてくるのかが楽しみなんです。
ドルチェは持ち寄りで、こちらクッキー生地でナツメのジャムを包んだものや、お米のケーキなどどれも伝統のものでした。
そして最後に登場したのが、ピンクのザンポーネちゃん!
ベルカモに住むペウルはなぜか毎年パネットーネ(ドライフルーツたっぷりのクリスマスのイースト菓子)をいろんなフォルマに変身させて、皆をおどろかせてくれます!
今年はブタの足のサラミ”ザンポーネ”でした。
ちゃんとレーズンをザンポーネの定番付け合わせレンズ豆に見立てています!
今年も皆の元気な顔を見られて、やっとクリスマスが来るのだなあという実感が沸いてきました。
次回皆の顔を見るのは来年4月、イタリア解放記念日のフェスタの予定です♪