2015年 10月 12日
東北の素材が光るイタリアン ミラノ鶴岡デーパーティ |
このところめっきり和食・日本酒が熱いミラノから、またまたイベントのレポートですよ。
万博日本館ではほぼ毎日・・デーとして、いろんな県や市がそれぞれ思い思いのイベントを繰り広げて話題になっています。
先週は鶴岡デーがあり、そのメインイベントとしてミラノ市内スカラ座のお隣にあるミシュラン2つ星レストラン "il ristorante trussardi alla scala”で和食とイタリア料理、そして鶴岡地酒のマリアージュランチが開催されました。
日本酒を輸入しているとこういう楽しいイベントにご招待いただく機会がたくさんあり、やっててよかったな〜(笑)と労われるような瞬間ですよ。
レストランはトラッサルディのブティックの上階にあり、落ち着いた上質な雰囲気。
招待客はジャーナリストやマスコミ関係者、業界関係者で、私達は山形の地酒を輸入していることもあってか参加させていただくことになりました。
そこに突然、山形の山伏が!やや異様ではありましたが、山伏を見たこともないイタリア人達は大興奮。山伏とはちょっと違いますが、イタリアにもそれに似た人たちがいましてペレグリーノと言います。キリスト・カトリック世界において”聖地巡礼者”を指す言葉。元はラテン語ペリグ
リーヌスから「野原を通ってきたもの」→旅人が語源です。
そう!イタリアの天然炭酸水ブランド、サンペレグリーノは聖ペレグリーノが語源だったのですねー。
(マイチーナ豆知識。間違えてる可能性ももちろんあり。)
話がそれまして。
鶴岡市や地元蔵元さんのシンプルで的を得たプレゼンテーションのあとは、日伊のトップシェフ2人による料理と日本酒の登場です。
まずはシェフ二人の前に、鶴岡からいらっしゃった専門板前さんによる精進料理が前菜として供されました。
盛り付けはイタリア風ですが、味はそのまま精進料理。まったくアレンジなしの本物です。
ぜんまいなどの山菜、姫筍、こんにゃくと野菜の白和え、などなどイタリアではほぼ見たこともない本物の精進料理がずらり。
私達日本人の心配をよそに、イタリア人たちから賞賛の声が。
彼らからすると、歴史的背景などを考えないとこれらはとても美しく料理されたヘルシーで最先端のベガン料理という捉え方なのです。ハッシュタグ的にはブッディズムやシュギョウではなく、あくまでヘルシー、ビューティ、ノンオイル、モダン、トレンディ、ベガン、ベジタリアンなのですよ。笑
次にトラッサルディのシェフ・コンティ氏のアンティパスト。
帆立貝柱をさっとソテーしたものに、クリームソースとリクリッツィアのソース。帆立の甘みをリクリッツィアが引き立てた極上の一皿。メインにいただきたいくらい美味でした。
そしてプリモ。
まずは鶴岡で人気のイタリア料理店オーナーシェフ奥田氏による、スカンピの日本米リゾット、だだ茶豆添え。
枝豆をプチプチ口に入れつつリゾットを味わいます。
半生に香ばしく焼かれたスカンピが甘く、カリッと揚がった頭も香ばしくて日本米ならではのふんわりとした繊細なリゾットのよいアクセントになっていました。
もう一つのプリモはコンティ氏によるジャガイモのニョッキ、鮪添え。
これは・・・どうだろう?笑
生のマグロが水牛モッツァレラのクリームソースで中途半端に温まってしまい、生臭さと鉄っぽさが立ってしまい少々残念でした。
メインは魚を奥田シェフが担当。
おそらく冷燻したサーモンに、きゅうりとディル、フリーズドライのだだ茶豆を添えた一皿。
驚くほどにしっとりと仕上がったサーモンは旨味たっぷりで、さっぱりきゅうりと合わせて大正解ですね。カリカリと食感のたのしいだだ茶豆はまるでピスタチオのようにナッティーで、シンプルなこの皿のよい脇役という感じでした。
オランダ産牛肉フィレ、カルチョフィ添えはコンティ氏。
上質な脂身のほとんどない牛肉の繊細な味わいを楽しめるシンプルな仕上がり。
セコンド2品は魚と肉ですが、こちらの純米大吟醸はくろすいしゅ出羽燦々。
もうお腹いっぱいです!
最後のデザートは残念ながら全部は食べられませんでした。ここのアーモンドのジェラートは世界一。雪が溶けるように口の中で消えていくような食感でした。
デザートに合わせたのは、江戸時代の作り方そのままという十水。
十水仕込みとは、江戸後期に確立した、白米1石(約180L)に対し1石の水加える『十水仕込み』(とみずしこみ)と称される製法です。
米と水が1:1になる仕込みは、当時はそれ以前よりも汲み水率(仕込み中の水の比率)が高かったのですが、時が流れて高精白された米を使う現在の汲水率は白米1石に対して水1.2石の『十二水仕込み』が主流。
つまり”十水仕込み”は白米に対する水が少ない分、醪(もろみ)のコントロールが難しいのですが、調和の取れたふくよかで芳醇な味わいに仕上がると言われています。
こちらがメニュー。
アンティパスト、プリモ、セコンドと日伊シェフによる2つの皿が供されましたが、合わせる日本酒はそれぞれ1種類ずつ。このあたりにも日本酒のふところの深さを感じます。
最後に山伏と巫女のみなさんとシェフとで記念撮影。
奥田シェフ、コンティシェフ、鶴岡市の皆さんブラボー!
こうした素晴らしいイベントを通して本当の日本の食の原点、奥深さ、多彩さを知ってもらいたいと思います。
次は山形県のイベントのレポートします。
万博日本館ではほぼ毎日・・デーとして、いろんな県や市がそれぞれ思い思いのイベントを繰り広げて話題になっています。
先週は鶴岡デーがあり、そのメインイベントとしてミラノ市内スカラ座のお隣にあるミシュラン2つ星レストラン "il ristorante trussardi alla scala”で和食とイタリア料理、そして鶴岡地酒のマリアージュランチが開催されました。
日本酒を輸入しているとこういう楽しいイベントにご招待いただく機会がたくさんあり、やっててよかったな〜(笑)と労われるような瞬間ですよ。
レストランはトラッサルディのブティックの上階にあり、落ち着いた上質な雰囲気。
招待客はジャーナリストやマスコミ関係者、業界関係者で、私達は山形の地酒を輸入していることもあってか参加させていただくことになりました。
そこに突然、山形の山伏が!やや異様ではありましたが、山伏を見たこともないイタリア人達は大興奮。山伏とはちょっと違いますが、イタリアにもそれに似た人たちがいましてペレグリーノと言います。キリスト・カトリック世界において”聖地巡礼者”を指す言葉。元はラテン語ペリグ
リーヌスから「野原を通ってきたもの」→旅人が語源です。
そう!イタリアの天然炭酸水ブランド、サンペレグリーノは聖ペレグリーノが語源だったのですねー。
(マイチーナ豆知識。間違えてる可能性ももちろんあり。)
話がそれまして。
鶴岡市や地元蔵元さんのシンプルで的を得たプレゼンテーションのあとは、日伊のトップシェフ2人による料理と日本酒の登場です。
まずはシェフ二人の前に、鶴岡からいらっしゃった専門板前さんによる精進料理が前菜として供されました。
盛り付けはイタリア風ですが、味はそのまま精進料理。まったくアレンジなしの本物です。
ぜんまいなどの山菜、姫筍、こんにゃくと野菜の白和え、などなどイタリアではほぼ見たこともない本物の精進料理がずらり。
私達日本人の心配をよそに、イタリア人たちから賞賛の声が。
彼らからすると、歴史的背景などを考えないとこれらはとても美しく料理されたヘルシーで最先端のベガン料理という捉え方なのです。ハッシュタグ的にはブッディズムやシュギョウではなく、あくまでヘルシー、ビューティ、ノンオイル、モダン、トレンディ、ベガン、ベジタリアンなのですよ。笑
次にトラッサルディのシェフ・コンティ氏のアンティパスト。
帆立貝柱をさっとソテーしたものに、クリームソースとリクリッツィアのソース。帆立の甘みをリクリッツィアが引き立てた極上の一皿。メインにいただきたいくらい美味でした。
そしてプリモ。
まずは鶴岡で人気のイタリア料理店オーナーシェフ奥田氏による、スカンピの日本米リゾット、だだ茶豆添え。
枝豆をプチプチ口に入れつつリゾットを味わいます。
半生に香ばしく焼かれたスカンピが甘く、カリッと揚がった頭も香ばしくて日本米ならではのふんわりとした繊細なリゾットのよいアクセントになっていました。
もう一つのプリモはコンティ氏によるジャガイモのニョッキ、鮪添え。
これは・・・どうだろう?笑
生のマグロが水牛モッツァレラのクリームソースで中途半端に温まってしまい、生臭さと鉄っぽさが立ってしまい少々残念でした。
メインは魚を奥田シェフが担当。
おそらく冷燻したサーモンに、きゅうりとディル、フリーズドライのだだ茶豆を添えた一皿。
驚くほどにしっとりと仕上がったサーモンは旨味たっぷりで、さっぱりきゅうりと合わせて大正解ですね。カリカリと食感のたのしいだだ茶豆はまるでピスタチオのようにナッティーで、シンプルなこの皿のよい脇役という感じでした。
オランダ産牛肉フィレ、カルチョフィ添えはコンティ氏。
上質な脂身のほとんどない牛肉の繊細な味わいを楽しめるシンプルな仕上がり。
セコンド2品は魚と肉ですが、こちらの純米大吟醸はくろすいしゅ出羽燦々。
もうお腹いっぱいです!
最後のデザートは残念ながら全部は食べられませんでした。ここのアーモンドのジェラートは世界一。雪が溶けるように口の中で消えていくような食感でした。
デザートに合わせたのは、江戸時代の作り方そのままという十水。
十水仕込みとは、江戸後期に確立した、白米1石(約180L)に対し1石の水加える『十水仕込み』(とみずしこみ)と称される製法です。
米と水が1:1になる仕込みは、当時はそれ以前よりも汲み水率(仕込み中の水の比率)が高かったのですが、時が流れて高精白された米を使う現在の汲水率は白米1石に対して水1.2石の『十二水仕込み』が主流。
つまり”十水仕込み”は白米に対する水が少ない分、醪(もろみ)のコントロールが難しいのですが、調和の取れたふくよかで芳醇な味わいに仕上がると言われています。
アンティパスト、プリモ、セコンドと日伊シェフによる2つの皿が供されましたが、合わせる日本酒はそれぞれ1種類ずつ。このあたりにも日本酒のふところの深さを感じます。
最後に山伏と巫女のみなさんとシェフとで記念撮影。
奥田シェフ、コンティシェフ、鶴岡市の皆さんブラボー!
こうした素晴らしいイベントを通して本当の日本の食の原点、奥深さ、多彩さを知ってもらいたいと思います。
次は山形県のイベントのレポートします。
by maicina
| 2015-10-12 00:25
| フェスタ